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もくもくと盛り上がった雲を入道雲と言いますが、そもそもどうしてこの名前で呼ばれているのでしょうか。この言葉の語源は一体何なのでしょう。


また、入道雲の発生時期と言えば、晴れ渡った青空に出現する事から夏のイメージが強いと思いますが、実はこの入道雲、なんと冬にも発生するんですよね!でも一体何故?


今回は「入道雲の誕生」というテーマを掘り下げてみたいと思います。
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入道雲の語源について解説!


入道雲」・・・一見変わった名前ですが、その語源は一体何なのでしょうか。


入道雲の語源とは、その文字通り「入道のような形の雲」という意味です。
ここで気になるのが「入道とは何か」ということですね。


「入道」とは、仏教用語で仏門に入る=お坊さんになることを意味します。

では入道雲がお坊さんのような雲なのか…といえばそうではありません。お坊さんのような姿をしてはいますが、その身長は「大入道」という、人間とは思えない巨大さを誇る妖怪が直接の語源になっているのです。他には、以下の画像の「輪入道」という、炎をまとった車輪の中央に男性の顔が写っている妖怪が語源になっているという説もあります。

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こちらが輪入道で、

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こちらが入道雲。



どうでしょう。言われてみればそうかもな…という気もしなくもないような(笑)



大入道や輪入道のように大きな雲
これが、入道雲の本当の語源と言えそうですね。

入道雲の発生時期はいつ頃なの?


それでは、入道雲の発生時期はいつ頃なのでしょうか。
晴れ渡った青空に真っ白い入道雲というのは夏のイメージが強いですが…


その通り、入道雲は夏に発生する事が多いんです。その理由ですが、入道雲が発生するには暑い日差しとそれによって暖められた地面、そして湿気を含んだ空気が必要だからです。

日本の夏は高温多湿と言われ、梅雨や台風によって湿気も十分、気温も他の季節に比べて最も高まるため、この時期に入道雲が発生する事が多いんですよね。


湿気を含んだ空気は熱によって暖められて上へ上へと登って行き、上層の冷たい空気によって冷やされて雲になります。普通の雲であれば冷やされ続けることで湿気の粒が大きくなり、やがては雨になって地上に戻ります。

しかし、入道雲の場合は上へと登っていく為に上昇気流が発生しており、なかなか雨にならずに雲がどんどん大きく膨れていくわけです。

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入道雲が冬でも見られる理由とは?


その一方で、入道雲は他の季節にも発生する事もあります。


驚きなのは、日本海側の冬で入道雲が見られるという事。
一体なぜなのでしょうか。


その理由ですが、シベリア方面などからの冷たい季節風が日本海の海上に流れ込む事がまず挙げられます。季節風によるマイナス10℃にも及ぶ寒気と海上付近の10℃近くの大気の温度差によって上昇気流が発生し、結果として積乱雲(入道雲)が発生するといった仕組みになっています。


その一方で、冬の太平洋はこうした気温の寒暖差がないため、日本海側に比べるとこの時期に入道雲は発生しにくい傾向にあります。


また、冬の日本海側に雪が降る事の原因の1つに入道雲が挙げられる点も見逃せません。

入道雲はしばしば豪雪をもたらすのですが、これは日本海側で雪が発生しやすいのに対し、太平洋側では雪が降りにくいといった点にも繋がってきます。


主に日本海側の冬季に、入道雲が見られる事があります。その理由ですが、シベリア方面からの冷たい空気が日本海側の暖かい海上に流れる事が挙げられます。結果としてこの地域にはよく雪が降るのですが、これは日本海側の豪雪が入道雲によってもたらされることを示しています。

一般に入道雲=積乱雲と言えば夏場の急な雷雨というイメージが強いですが、冬には雪の発生源になっているんです。

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この記事のまとめ


入道雲の語源や発生時期について解説してきました。


「入道」と名前が付く妖怪が語源になっている入道雲の発生時期は、主に夏が中心です。ただし他の時期でも発生しない事はなく、日本海側ではしばしば冬に発生するのも特徴です。

ただ夏にせよ冬にせよ、入道雲の発生に共通しているのは天気の荒れです。入道雲を見かけたら天気が急激に変わると考えて雨具の用意をするなり家屋に戻るなり、対策をしたほうが良さそうですね。


なお、以下の記事では「入道雲と積乱雲の違いとは何なのか」について解説しているので、興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。

※参照:入道雲の大きさやその発生条件について。積乱雲との違いは?