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日に日に暖かくなってきましたね。
春が近づいています。

みなさんは、どんなことで
「春が来たなぁ」
と感じますか?


日本古来の美しい言葉で、
「春霞(はるがすみ)」
というものがあります。
ご存知ですか?

平安時代の和歌に、春の風物として、
多く詠み込まれています。


とても美しい言葉ですが、
調べてみると、なんと、
今の私たちにとっては
美しくもなんともない、
春の「アレ」のことかもしれない
ということがわかりました。

そこでこの記事では、
春霞の意味や発生する理由、
万葉集ではどう歌われているのか
について書きたいと思います!
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春霞の意味って?学術的な定義もあるの?

春霞」という言葉ですが、
一体どのような意味があるのでしょうか。


一般的には、春の次期に
霧(きり)や靄(もや)などによって、
景色がぼやけて見える状態
を言います。


霧も靄も、
視界が悪くなりますが、
視界が1km未満であれば霧、
それ以上であれば靄と呼ぶそうです。


その一方で、春霞という言葉に、
学術的な定義はありません。

春特有のものというわけではなく、
単に春の霧や靄を
「春霞」と言うだけなのです。


しかし、平安時代頃から、
秋の霧と春の霞は
他のものとは区別され、
季節を感じる風流なものとされてきました。
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春霞が発生する理由は?

さて、いよいよ、
春霞が発生する理由について
見ていきたいと思います。


まず、昼と夜の変わり目など、
気温差の大きい日には、
植物からの水蒸気の放出が活性化
します。

これにより大気中の水分が増えると、
気温の低下によって
細かい水滴のような目に見える状態になります。



これが霞や霧の発生メカニズムです。


ですが…

春霞は黄砂のことを指している
とも言われているのです。


確かに黄砂は
視界が悪くなり
景色がぼやけますね


しかしショックですね。

現代の我々にとっては、
黄砂はただの厄介者ですから…


それが春霞かもしれないなんて、
あまり知りたくない事実でした。
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万葉集に詠まれた春霞をご紹介!

気を取り直して、飛鳥時代の人が
春霞について詠んだ歌をご紹介しましょう。


教科書にも出てくる有名な歌人、
柿本人麻呂の歌で、
万葉集に登場します。


ひさかたの 天の香具山 この夕(ゆふへ)
 霞たなびく 春立つらしも



天の香具山に今夕は霞がたなびいている。
もう春になったらしい・・・

という意味です。


天の香具山(かぐやま)は
奈良県にある山です。

柿本人麻呂は霞によって
春の到来を感じたわけです。


せっかく美しい歌を詠んだ人麻呂さんに、
まさかそれが、
アレルギーの原因かもしれませんよ!
とは言いたくありませんね…

まとめ:春霞について

春霞(はるがすみ)とは、春に、
霧(きり)や靄(もや)などによって
景色がぼやけて見える状態
のことです。

大気中の水分が気温低下によって
目に見える水滴になったもの、
というのが一般論ですが、
黄砂のことを指しているとも言われています。

ちなみに万葉集では、柿本人麻呂が
霞を春の到来を告げるものとして、
歌に詠んでいます。


調べて見る前は、
「美しい言葉だなあ・・・」
と思っていたのですが、
実際には黄砂のことを指すなんて
やはりちょっとショックです。


それでは、今回はこの辺で失礼します。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!