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日本の春を代表する植樹といえば
大多数の方は「桜」と答えるでしょう。


ただ、一言に桜と言っても、
様々な種類があるのですが、
その中でも山桜という桜をご存知でしょうか。


今回はこの山桜について、特徴や大きさ、
寿命、山桜を詠んだ和歌などを
詳しく解説していきたいと思います。
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山桜の特徴とは? わかりやすく解説


山桜はバラ科のサクラ属に属する落葉高木です。


日本に植えられている桜木の種類の中でも
有名で代表的な種類であるため、
和歌の題材としても多く詠まれています。


「山」という漢字が付いている通り、
主に山地にその花を咲かせているのが特徴であり、
これに対して、山桜を品種改良した桜の種類を、
「里桜」と呼ぶこともあります。


山桜の樹形はケヤキに酷似していて、
開花時期や花弁の数、花の色など
個体変異が多いという特徴もあります。


また、開花と同時期に若葉も展開される事も
山桜の大きな特徴として知られています。

山桜は大きさはどの位なの?


山桜は桜の中でも高木な種類とされていますが、
平均的な大きさは10メートル〜25メートル程と、
とても大きな樹高をもつ桜の種類になります。


中には、30メートルにまで成長する山桜も
多々報告されている様で驚きです。


これだけ大きく高く成長するのであれば、
山野などの広い場所でないと
花を咲かすことが出来ないという事も納得できます。

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山桜は長寿?その寿命とは


また、山桜は寿命の長い桜としても知られています。


その平均寿命は、なんと200~300年と言われることも。

中には樹齢が500年を超える山桜もあるそうで、
とても長寿な桜の種類だという事が分かります。


では、山桜の寿命がこれほど長いのは何故なのでしょうか。


その理由としては、山桜は野生種であり、
接ぎ木などをしていないという事が
長寿の理由の一つと考えられているそうです。

山桜を詠んだ和歌はどの様なものがあるの?


山桜は日本における桜の代表的な分類の1つであり、
古来より、数多くの和歌の題材として詠まれてきました。


山桜を詠んだ和歌について2首ご紹介します。

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•和歌1


山桜 霞の間より ほのかにも
見てし人こそ 恋しかりけれ」

紀貫之


現代語訳
山桜が霞の間から僅かに見えた時のように、
 ほのかに見た貴方の姿を恋しく思います。


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•和歌2

もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし

前大僧正行尊


現代語訳
私があなたを愛おしく思うように
あなたも愛おしいと思っておくれ。
山桜よ。こんな山奥に私の思いを
知る人はお前しかいないのだから。


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この2首のように、
山桜を題材とした和歌のテーマは、
恋心や思いなどを題材としたものが多かったそうです。

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この記事のまとめ


日本を代表する桜の木の一種として、
また、この記事で解説した特徴で知られる山桜ですが、
大きさや樹齢の長さから古くから知られていて、
親しまれていた種類だという事が存分に感じ取れます。


そんな山桜の様子は、和歌などで恋心を詠う際にも
最適な語として詠まれてきたのだと思います。


お花見シーズンとなれば頻繁に見かける桜の木ですが、
何となく鑑賞するだけではなく、
桜の何の種類かなど調べながら鑑賞してみると
楽しむことが出来、趣きがありますね。