冠水で道路や建物が水でいっぱいなんてよく耳にしますが、通常の雨では水はそこまでたまりませんよね。また、締め切った屋内ならともかく、開放されている道路までも水でいっぱいになっていまうというのは疑問が残ります。

雨風が強くても水は流れていくはずです。

では、冠水はどうして発生するのでしょうか。この記事では、冠水が発生する原因と、ヴェネツィアおよび下北沢で冠水が発生した理由を紹介します。

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冠水が発生する原因は何なのか


そもそも冠水によって水が溜まるのはなぜなのでしょうか。

冠水が発生する1つ目の原因は地形です。

地形が凹んだ形をしており、周囲より低い場所であればそこに水が溜まっていまうというわけです。通常の雨でできる水溜りの例がわかりやすいですね。水溜まりは平坦な場所ではなく少し凹んだ場所にできます。冠水はそれがより拡大した物というわけです。


もう1つの原因は排水処理が追いつかないことです。

道路の歩道脇に排水口が走っているのは皆さんご存知の通りです。ですがあまりにも雨の量が多く、排水口から流れていくまでに時間がかかるとそれは蓋をされているのと同じです。いずれは流れていきますが、その瞬間は水が溜まり続け、冠水状態になってしまうんです。更に排水しきれないほどの雨が降ること、そんな規模の雨が頻繁であることも原因の一つと言えます。


なお、以下の記事では「冠水、浸水、洪水、水没の違い」について解説しているので、興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。

※参照:冠水の意味とは?浸水、洪水、水没との違いについても解説!

ヴェネツィアで冠水が発生した原因とは?


ここからは、冠水が発生する原因を実際の事例をもとにご紹介します。


まずはイタリアの街・ヴェネツィアで頻繁に起こるアクア・アルタという高潮です。毎年発生するアクア・アルタですが、2008年はこの20年で最悪と言われるほどの状況を生み出しました。

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この時の水位は1.56メートルとも言われ、身長が低い人ならば完全に沈んでしまう高さです。
当時の冠水の発生原因は、上でも書いたように記録的な豪雨が連日続いていたことと、風向きがベネツィア内部に向かって吹く風だった為、なかなか水が引かなかったことです。


また、ヴェネツィアがあるイタリア北部のヴェネト州では、このアクア・アルタが定期的に発生する事で知られています。この地域に旅行に行く事があれば、事前に冠水が発生するか否かの情報は入手しておいた方がいいでしょう。

下北沢駅で冠水が発生した原因とは?


日本でも2013年に、東京の下北沢駅で冠水が起こっています。私鉄である小田急線が走る下北沢駅では、地下3階にあった路線が冠水して運転見合わせなどの影響が出ました。

下北沢で冠水が発生した原因は、一見するとこの駅が地下という低地にあったため、高地から水が流れ込みやすかったのではないか?と考えることもできます。
そしてその通り、原因の1つには隣駅からの水が流れ込んできたというものでした。

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しかし原因はそれだけに留まらず、そもそも水が流れた元である東北沢駅の排水設備に落ち葉が詰まって通常の排水ができなかった事に加え、下北沢駅を利用した乗客がポイ捨てしたゴミなどが原因で排水口がつまり、水を出すことができなかった事が挙げられます。

1人がポイ捨てする量は大した量ではありませんが、文字通り塵も積もれば山となって、排水ができなくなるほどになってしまったわけです。

この記事のまとめ


冠水が発生する原因は、大量の水と低地によるものが一般的です。

その一方で、ポイ捨てしたゴミによって排水設備が使えなくなったという下北沢駅の事例は、私たちも肝に銘じておく必要がありますね。


もし皆がポイ捨てをせずにいたらどうなっていたでしょうか。

冠水は避けられていたかもしれませんよね。少しでも回避できる可能性があるのなら、普段からちょっとした行動にも気を付けたいものです。

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