薄いピンク色の花が咲く可愛らしい植物として知られるササユリ

その一方で、園芸化がとても難しい植物としても知られています。
その理由とは一体何なのでしょうか。

また、育てるのが難しいからこそササユリを育ててみたいという方もいると思います。

そこでこの記事では、ササユリの植え方や育て方について解説します。
スポンサードリンク

ササユリは育てるのがとても大変!その理由とは?


ササユリはユリ科ユリ属の多年草で、本州中部から九州に分布しており、6~7月に薄いピンク色の花(まれに白色もある)が咲きます。

日本だけに自生していて、山地の草原や明るい森を好みます。
なんと古事記や万葉集にも登場するくらい、古くからあった植物です。


このササユリ、最初にも言ったとおり、育てるのが非常に難しい植物です。

その理由ですが、ササユリが花を咲かせるには5~10年の歳月がかかるからです。さらに病気や害虫にも弱いので、花を咲かせるまでには多くの努力と根気が必要になるからですね。


いかにササユリを育てるのが大変なのか、詳しく見ていきましょう。


まず小さな種から芽が出るまでに1年もかかります。
そこから芽が出て地上に初めて顔を見せてくれるまでに半年程度かかり、その後で4枚の葉をつけるようになるまでに、正味2年かかります。
その間にも、梅雨時期は病気、夏の夜にはナメクジの標的になりやすいので気が抜けません。

また、ササユリは種を植えてから2年半後に2回目の地上発芽をします。
葉の大きさも1回目に比べると2~3倍になります。
これらを繰り返し、最高の条件で順調に育てば5年目にやっと開花します。

もし、気温や肥料が少ない土壌だった場合は10年以上かかるということも...。

このように、育てるのがとても難しいササユリですが、その花の寿命は何とたったの10日!
手間を考えると、割に合わないと思われる方もいるかもしれませんね。

その一方で、数年以上の月日を経て花を咲かせたササユリは、とても迫力があり、強い香りを漂わせます。一度見てみる価値はあると思いますよ。

スポンサードリンク

ササユリの植え方について解説!


このよう手間のかかるササユリですが、育ててみたいという方もいらっしゃるでしょう。
そこでまず、ササユリの植え方について紹介していきたいと思います。

ササユリを栽培する場所ですが、この花が自生している環境に近づけることがポイントです。
春にはよく日光があたり、5月頃から木漏れ日の差す明るい木陰や、あるいは半日日陰の涼しい場所がお勧めです。

用土は排水性がよく保水性のあるものを選びましょう。種類としては赤玉土が7割、腐葉土が3割ほどの比率が好ましいですが、これに鹿沼土などを混ぜても構いません。
また、ササユリは酸性を好みますので、石灰などは混合させないようにしてください。

ササユリの種をまく時期は秋にあたります。
球根を植える時期も同じくらいですね。

ただし、種子は翌年の夏の高温気を経過しないと発芽しません。


さらに発芽は地下で極小の球根を形成するだけで、地上に展葉してくれず、地下で形成された球根は冬の低温期を経過しないと地上発芽してくれません。
そのかわり、ここから始めるとウィルス病がなくなりますので、良い株が得られます。

これが面倒だという人は、球根を購入するといいでしょう。
その場合、腐敗防止のため定植前に球根を殺菌液に1時間つけるのがオススメです。
球根の定植、植えかえは10月に行ってください。

ササユリの育て方とその注意点について!


ササユリの植え方について見ていきましたが、その後の育て方についても見ていきましょう。

ササユリを上手く育てるには、適度な湿り気を一年中保つことが必要です。
特に乾燥の激しい夏と地上部が枯れた冬の水切れには注意して、球根がしなびて枯れてしまわないように気を付けてください。

ただし、水の与えすぎも球根の腐敗の原因になりますので注意が必要です。


利用する肥料ですが、基本的には少量で大丈夫です。
肥料を与えすぎると球根や葉が傷む原因となるからです。夏を避けた春から秋に、薄い液肥(通常濃度より2倍以上薄めてもいい)を毎月あげてください。

また、2~3年に1回は、新しい用土に植え替えをして下さい。

他には、アブラムシなどの害虫やウィルスにも注意が必要です。
殺虫剤やなめくじ用の薬を定期的に利用、散布するなど予防をしっかり行ってください。


後は気長に待つのみです。


無事に開花した場合、種で増やす予定がない時は終わった花を取り除いてください。
秋まで葉を数枚保たせることが、翌年も花を咲かせるポイントになります。

スポンサードリンク

この記事のまとめ


ササユリを育てるのが難しい理由と、その植え方、育て方についてご紹介しました。

この植物は、花を咲かせるまでに5~10年の歳月がかかり、しかも病気や害虫に弱いため育てるのが大変難しいと言えます。

植え方や育て方にもかなり根気のいる植物ですが、花が咲いた感動はひとしおです。
ササユリは、長期間1つの花をじっくり育ててみたいという方にオススメと言えそうですね。