春の風物詩は何かと問われると、
日本人である私達の大半は
「桜」と答える方が多いと思います。
昔から親しみや歴史のある桜ですが、
八重桜という品種についてご存知ですか?
ご存知の方も、そしてご存知で無い方も
絶対に魅力を感じる事のできる桜です。
この記事では、この八重桜について
その名前の由来や開花時期について
解説していきたいと思います。
また、八重桜を詠んだ和歌についても
一首ご紹介します。
「八重桜」という名前の由来とは?
花見の季節になると「八重桜」と言う言葉を耳にする方も少なく無いと思いますが、
八重桜の意味を捉え間違えている方が
実は、とても多かったりするのです。
この八重桜は、「八重桜」と言う
一つの桜の品種名ではありません。
この「八重桜」という言葉は、
花弁が何重にも重なて、八重咲きとして
花を咲かせる桜の総称を指しています。
何重にも重なって開く花。
このことが由来となって、
八重桜と言う名前になったのです。
なお、「八重桜の中で有名な品種としては、
関山、普賢象、八重紅枝垂れ、福禄寿
などがございます。
どれも何重にも重なった花弁が
特徴的な花を咲かせ、
とても美しく魅力的な桜です。
八重桜を詠んだ和歌を一首ご紹介!
古くの時代から親しまれている桜は和歌として詠まれる事も多々ありました。
そんな和歌の中で、
八重桜を詠った和歌を一首ご紹介します。
有名な物としては、伊勢大輔の
「いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな」
と言うものがあります。
この和歌は、
「いにしえの昔の、奈良の都の
八重桜は、今日は九重の宮中で一段と
色美しく咲き誇っております。」
と言った意味の和歌です。
奈良の都の宮中で華やかに美しく
咲き誇っている八重桜を想像できますね。
この和歌を見て分かるように、八重桜は
古くから春の風物詩として親しまれており、
その歴史も長いものになります。
他にも、桜の素晴らしさを詠った和歌や、
咲き乱れ散る姿から恋を連想させた和歌、
美しさをそのまま詠っている和歌などがあり、
桜は昔からとても多くの和歌にも登場し、
その題材として詠まれているのです。
八重桜の開花時期はいつ?
そして、八重咲きで花弁がたくさんついた八重桜ですが、その開花時期や満開期は
一体いつ頃になるのでしょうか。
八重桜の開花時期は、
ソメイヨシノなど通常の桜などとは一足遅れ、
4月中旬以降と言われています。
八重桜の品種は様々な物がある為、
その品種や土地の特徴によっては
5月上旬頃に開花時期を迎えるものもあります。
八重桜の場合、咲き始めから満開期までは
およそ1週間前後の時期が必要になるので、
その開花時期は、大体4月の中旬から
5月上旬までと言って良いでしょう。
ですので、花見の季節には
ソメイヨシノなどの桜を楽しんだ後
八重桜の花見を楽しむ事もできますね。
また、八重桜の名所などを探すと
より詳しい開花時期なども掲載されているので
調べてみるのも1つの手ですね。
まとめ:八重桜について
八重桜という名前の由来ですが、花弁が何重にも重なり、八重咲きとして
花を咲かせる桜という事が
その語源となっています。
そのため、八重桜は通常の桜と比べ、
花弁が重なっている事から、
一輪一輪も大きく、迫力がある為
一味違った魅力があると言えます。
また、八重桜の開花時期ですが
4月中旬~5月上旬と言われており
通常の桜と比べ2週間ほど遅れて
その花を咲かせると言えます。
そして、八重桜は古来多くの和歌の
題材として使用されていることから
春の風物詩として、古くから
知られていた事が伺えます。
歴史ある春の風物詩の桜を
開花期間に堪能したいものですね。