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オニユリは名前こそ強そうで怖いイメージがありますが、実際はオレンジ色に褐色の斑点模様が印象的な花で、麟茎は百合根と呼んで食用や漢方薬に処方されるなど身近な植物です。

そんなオニユリの原産地や開花時期についてご紹介します。


また、オニユリには数多くの別名があり、中でも「天蓋百合」と言った名前で呼ばれる事もあります。その由来は一体何なのかについても調べてみました。
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オニユリの原産地はどこ?日本に伝わった時期は?


オニユリは日本、中国、朝鮮半島、シベリア沿岸部など、主に東アジアに広く分布しており、野原や人里近くに生育する多年草のユリです。
この花の原産地は中国で、日本には古代に朝鮮半島を経由して渡来したと言われています。かつては地下の麟茎(りんけい、養分を蓄えた葉の集まり)を食用にするために栽培されていました。

対馬や韓国の済州島、釜山などに見られるオニユリは種を付ける2倍体と3倍体が混在していますが、日本に分布するオニユリは種を付けない3倍体がほとんどです。


また、オニユリによく似ている花としてコオニユリという花がありますが、コオニユリには珠芽(むかご、植物の繁殖器官の1つ)がありません。一方でオニユリには「麟茎」と呼ばれる珠芽があります。この鱗茎を乾燥させたものを百合(ひゃくごう)といい、滋養、消炎、鎮咳、解熱、利尿などの薬効が知られています。

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オニユリとコオニユリの他の違いとしては、その名前の通り、コオニユリの方がオニユリより大きさが小さい事も挙げられますね。

オニユリの開花時期はいつ?ウイルス耐性は強い?


オニユリの開花時期は7~8月で、オレンジ色に褐色の斑点模様が印象的な花を咲かせます。

花の径は10㎝ほどで、くるりと上に反り返った丸い花びらの形をしており、1茎に20~30輪ほどなります。また、その草丈は80㎝~2m程度とかなり大きくなり、葉は被針形で柄はなく、先は尖っていて無毛で互い違いに生えます。

葉の付け根には、前述した珠芽(むかご)と呼ばれる黒紫色の小さな球根のようなものが出来、この珠芽が地面に落ちると根を伸ばして新たな株となります。


また、ウイルス耐性においても、オニユリはその他のユリと異なる点が見られます。
野生のユリはウイルス耐性が弱くて球根をダメにしてしまうことも多いのですが、オニユリに関してはウイルス耐性があり、性質も強いので、庭植えなど園芸にもよく利用されいます。

ちなみに、以下の記事で解説しているヤマユリはウイルス耐性に弱い花として知られています。

※参照:ヤマユリの開花時期や匂いについて解説。育て方も気になる!

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オニユリの別名について解説。「天蓋百合」の由来とは?


このオニユリですが、学名や「天蓋百合」といった別名で呼ばれる事もあります。

オニユリの学名は「Lilium lancifolium」といい、Liliumはギリシャ語の「leirion」(白)を表しますが、それはマドンナリリーの白い花を念頭に名付けられたからで、「lancifolium」は「披針形の葉の」という意味です。


また、オニユリは「鬼百合」と漢字表記されますが、このような強そうな怖い名前がついたのはいったいなぜなのでしょう。
その由来としては、黒の斑点模様のある橙赤色の花を赤鬼に見立てたという説、真夏の暑さにも負けず、大輪の花を咲かせる強い性質を鬼に見立てたという説、姫百合と比べて大きいユリという意味で鬼がついたという説など諸説あります。

英名でもタイガーリリーという強そうな名前がついていますし、オレンジと黒という花の色合いとその大きさから、強く怖そうな印象を持たれるのでしょうね。


また、オニユリには「天蓋百合」(テンガイユリ)という別名もあります。

「天蓋百合」という名前の由来ですが、オニユリの花は下向きに俯いて咲き、花びらが反り返っていますので、シャンデリアのようにぶら下がる姿をお寺の本堂の仏像の上にある天蓋に見立てたのが起源とされています。

この記事のまとめ


中国を原産地としているオニユリは、主に東アジアに広く分布しており、野原や人里近くに生育する多年草のユリで、夏にオレンジ色に褐色の斑点模様が印象的な花を咲かせます。

野生のユリはウイルス耐性が弱くて球根をダメにしてしまうことありますが、オニユリに関してはウイルス耐性があり、性質も強いので、庭植えなど園芸にもよく利用される身近なユリです。


また、オニユリは学名の「Lilium lancifolium」や漢字表記の「鬼百合」、別名の「天蓋百合」で呼ばれる事もあるので、ここで整理しておきましょう!

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