ノウゼンカズラは夏に開花する落葉樹で、壁やフェンス、他の樹木などにへばりついて体を支えて上に伸びていく植物として知られています。

他の植物が夏の暑さで休んでいるときも、ノウゼンカズラだけは咲き乱れており、まるで夏休みの小学生を思わせるような元気な植物です。


今回は、そんなノウゼンカズラの種類やその名前の由来についてまとめてみました。

また、この花の植え方や増やし方など、育て方についてもご紹介します。
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ノウゼンカズラを種類ごとに3つに分類すると?


ノウゼンカズラは中国の中部から南部にかけて広く分布するつる性の落葉樹で、日本には平安時代の9世紀ごろに入ってきていました。

この花の種類ですが、通常のノウゼンカズラに加え、アメリカノウゼンカズラタグリアブアナの3つが挙げられます。

鉢植えで出回っているヒメノウゼンカズラは、名前は似ていますが別属の植物で、ノウゼンカズラの仲間ではありません。


ここでは、ノウゼンカズラの3つの種類についてご紹介したいと思います。

ノウゼンカズラ



一般的なノウゼンカズラは、派手なオレンジ色の大きい漏斗状の花をたくさんつけます。
花径は5~10㎝くらいで、とにかく日光を好みます。


花一つ一つは短命ですが、このノウゼンカズラは驚くほど丈夫です。

耐寒性はあまりないので寒冷地には不向きですが、通常の条件ならば放置していても、こぼれ種で周囲に広がりますし、花は一日でしぼみますが、毎日次々と新しい花を咲かせます。

金沢市の玉泉園にある古木は、豊臣秀吉の時代に朝鮮半島から持ってきたものと言われており(樹齢400年以上)、ノウゼンカズラの寿命の長さがわかります。


また、茎や花は甘いらしく、よく蟻がうろついています。

江戸時代の貝原益軒が「花上の露、目に入れば 目暗くなる」と記述していますが、実際にはそんな成分はありません。

アメリカノウゼンカズラ



このアメリカノウゼンカズラは主に北アメリカに分布するノウゼンカズラの仲間で、花色はオレンジで花茎は短く垂れ下がりません。

桃色や黄色い花を咲かせる品種もあり、生育旺盛で、つるは10㎝にも伸びます。

また、ノウゼンカズラ属の野生種は、このアメリカノウゼンカズラとノウゼンカズラの2種類しかありません。

タグリアブアナ


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ノウゼンカズラとアメリカノウゼンカズラの雑種が、このタグリアブアナです。

花の形はノウゼンカズラ、花の色はアメリカノウゼンカズラの性質を受け継いでいます。

代表的な品種として「マダム・ガレン」が知られており、赤みの強いオレンジの花が特徴的な非常に目立つ花です。

ノウゼンカズラの名前の由来とは?


そんなノウゼンカズラですが、一風変わった名前が気になっている方もいると思います。
漢名や洋名の由来も含めて、その名前の由来をご紹介します。


まず、ノウゼンカズラ分類は以下のようになっており、


属名:ノウゼンカズラ属を意味するCampsis(キャムプス)
種名:ノウゼンカズラを意味するgrandiflora(グランディフロラ)



それぞれの名前の由来としては、

Campsis:ギリシア語の「湾曲」
grandiflora:大きな花



以上のようなものが挙げられます。


また、ノウゼンカズラの漢名は凌霄花(りょうしょうか)と呼ばれています。

漢字のうち、凌には「しのぐ」、霄には「そら」の意味があります。つるが木にまといついていく様を表して「天を凌ぐほど高く登る花」という意味になったのだと思われます。


そして「ノウゼンカズラ」という和名ですが、漢名の凌霄の朝鮮読みである「ヌンソ」が元となり、ノウセウ→ノウセウカズラ→ノウゼンカズラと変化していったとも、古名の「のせう」が変化していったとも言われています。


これ以外には、花の形がトランペットに似ているという理由から、

「トランペット・バイン」
「トランペット・フラワー」


このような名前で呼ばれることもあります。

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ノウゼンカズラの植え方や育て方を解説!


ノウゼンカズラを植えてみたいと思われている方もいると思います。
この花の育て方についても見ていきましょう。


まず、ノウゼンカズラはとても日光が好きです。
一年を通して日当りのいい場所で育ててください。

この花はある程度の寒さには耐えますが、マイナス5℃以下になると枯れてしまいますので、寒冷地などでは地面に腐葉土やワラを敷いて対策をしてください。


植え方についても見ていきましょう。

ノウゼンカズラの植えつけは暖かくなってから行います。
時期としては3月が最適です。

地植えは一度植えつけると植え替える必要はありませんが、鉢植えは根がいっぱいになって底から見えてくるようならば植え替えを行った方がいいでしょう。
これも適しているのは3月です。

ちょっと変わっているのは、ノウゼンカズラは過湿を嫌がりますので、庭植えならば、一度根付いてしまえば水をやる必要が基本的にはありません。
夏だけ水やりをおこなえば十分です。

また、ノウゼンカズラはつる性なので、つるがかなり伸びます。
ほおっておくとあっちこっちに伸びてしまうので、支柱かフェンスなどに絡ませてください。

枝の剪定は3月までの冬に行い、花芽を落とさないように気をつけましょう。
昨年の夏に伸びた枝を残し、それ以前のものはバッサリと落としてしましましょう。

保管については、この花はかなり丈夫なので少々いじめても枯れることはありません。
根元から切ってもまた生えてきますし、除草剤をまいてもなかなか枯れませんので、思いっきりやって大丈夫です。

ノウゼンカズラの増やし方について。最適な時期はいつ?


最後に、ノウゼンカズラの増やし方についてもご紹介します。

ノウゼンカズラの増やし方はさし木が一番簡単です。
これも3月、もしくは4月に行ってください。
去年伸びた枝で、状態のいいものを選んで15〜20㎝程の長さに切り、1時間ほど切り口を水に漬けます。

十分に吸水させたら、湿らせた赤玉土の入った鉢に挿し、根が出るまでは直射日光の当たらない場所で乾かさないように育ててください。

根が出てきたら、柱状の管理に戻して、そのまま1年育てて翌年に植え付けましょう。

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この記事のまとめ


ノウゼンカズラの種類や名前の由来、植え方や増やし方などについてご紹介しました。

この花は丈夫なのが特徴なので、ガーデニング初心者にも優しい植物です。
凌霄花と呼ばれるその名前通りに、つるが伸びていって他の樹木や壁やフェンスにまといついて、体を支えながら上にどんどん伸びていきます。

またノウゼンカズラにはアメリカノウゼンカズラとタグリアブリナを含めた3種類に分類されており、どの花にしても、オレンジや黄色、赤など、夏のイメージにぴったりな派手な色をしていて目立ちます。

ノウゼンカズラは、これから夏にかけて見頃を迎えて私たちを楽しませてくれます。
この花を見習って、暑い夏を楽しく乗り切りたいですね。