先日、「五重塔」がニュースで注目を集めました。
電波塔では世界一の高さを誇る、
東京スカイツリーがあります。
そのスカイツリーの耐震設備が、
はるか昔に作られた、五重塔を
参考にしているというのです。
筆者もこれにはとてもびっくりしました!
昔の人はなんて頭がいいのでしょう。
と同時に、五重塔について
案外知らない自分に気が付きました。
一体どこの場所にあるのか。
実際どれくらいの大きさなのか。
なんのために建てられたのか…
日本人が世界に誇れる建造物ですから、
ぜひ知っておきたいですね。
そこでこの記事では、
五重塔の大きさや含まれている意味合い、
そして、ある場所について調べてみました!
五重塔がある場所はどこ?
五重塔がある場所って一体どこなのかご存知ですか?
実は、五重塔は日本各地に数多く存在し、
「国宝」に指定されているものだけでも
なんと10以上もあるんです。
国宝の代表例が法隆寺の五重塔ですね。
この法隆寺の五重塔は、
世界最古の木造の五重塔です。
また、東京都の浅草寺にある五重塔も、
今あるものは再建されたものですが、
こちらも比較的知られていると思います。
この他にも、
「重要文化財」に指定されている五重塔が
日本全国には10以上あるんです。
有名どころを挙げますと、
・栃木県の日光東照宮。
・広島県の厳島神社。
どちらにも五重塔が存在し、
重要文化財に指定されています。
個人的に驚いたのは厳島神社。
五重塔はお寺だけではなく
神社にも建てられているのが
けっこう驚きでした。
五重塔のもつ意味についても解説!
ではそもそも、五重塔とは、なんのために建てられたのでしょう。
そこにはどのような意味が
込められているのでしょうか。
五重塔はもともと、
インドの「ストゥーパ」をモデルにし、
日本で姿を変え発達したものです。
「ストゥーパ」とは何かと言うと、
お釈迦様の骨を納めたお墓です。
塔というよりは、
こんもりとした山のような形をしていて、
五重塔みたいに五重ではありません。
ここで、日本の五重塔のつくりを
よく見てみましょう。
中は吹き抜けになっており、
5階建てになっているわけではありません。
手すりや窓がついていますが、
これは実際に使うためのものではなく、飾りです。
(注:現在では再建されたものや
観光用に建てられたものもあり、
中に登れるものもあるようです。)
五重塔とは、実用的な建造物ではなく、
信仰の対象としての意味合いが強いんです。
ストゥーパのもつ意味とは全く違いますね!
また、五重塔はなぜ五重なのでしょうか。
それは、その5つが、
この世を形づくる5つのものを
表しているからです。
その5つとは、
地 水 火 風 空
です。
五重塔は、仏教の宇宙観を
表現している建物でもあるんです。
ちなみに、お墓に立てる板を
卒塔婆(そとば)と言いますが、
これの語源はストゥーパです。
この卒塔婆にも、五重塔と同じ、
5つのものを表す形が刻み込まれています。
卒塔婆を立てるということは、
五重塔を建てるのと同じ意味があるのだそうです。
このことを考えると、
もともとはお釈迦様のお墓が
モデルだったという話も頷けますね。
なお、以下の記事では
五重塔の上にある飾りについて解説しているので、
興味があれば一度ご覧になってみて下さいね。
※参照:五重塔は何階建てなのか?建てた目的や上の飾りについて!
五重塔の大きさはどれくらい?
では、五重塔の大きさは実際どれくらいなのでしょう。
実は、五重塔の大きさは
建物一つ一つで異なるんです。
上で挙げた五重塔の大きさですが…
法隆寺の五重塔:31,5m
浅草寺の五重塔:53,3m
日光東照宮の五重塔:36m
厳島神社の五重塔:27m
このようにバラバラなんです。
奈良県の室生寺の五重塔は、
現存する五重塔の中では最小と言われ、
その高さは16,1mです。
また逆に最も大きい五重塔は
京都府の東寺(教王護国寺)の五重塔で、
なんと54,8mです。
ちなみにアメリカの自由の女神像が93m。
奈良の大仏が18m。
ビルで言うと、50メートルが
だいたい13階建てに相当します。
高層ビルを見る時の感覚と、
五重塔を眺める際の感覚は
案外似ているのかもしれませんね。
この記事のまとめ
日本各地の寺院や神社に存在する五重塔。
最古のものは法隆寺の五重塔で、
その大きさは31.5mです。
五重塔の大きさはいろいろあり、
いちばん小さいものは奈良県の
室生寺のもので16,1m。
最も大きいのは京都府の東寺のもので
54,8mの大きさがあります。
また、五重塔が持つ意味ですが、
この建物は実用的な建造物としてではなく、
信仰の対象として建てられました。
その形は、地・水・火・風・空という、
仏教の世界観においてこの世の基礎となる
5つのものを意味しているんですよね。
それでは、今回はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。