これから夏になると、お祭りや飲み会が増えてきますよね。会社の飲み会だけでなく、地域のお祭に神輿の担ぎ手などで参加する人も多いのではないでしょうか。
その一方で、飲み会やお祭りの終わりに、目上の人の合図で手締めをする時に戸惑ってしまった経験はありませんか?日本人にとってはお馴染みのこの動作ですが、海外にも似たような慣習があるのかも気になりますね。
今回は、そんな手締めの由来や種類などをご紹介します。
手締めの由来について。行うようになったキッカケとは?
手締めをする時はどんな時か考えたことがありますか?
決まって、物事が終わって一段落着いた時に手締めを行いますよね。
ではどうして物事の終わりにそのままの解散ではなく手締めをするのでしょうか。
その由来は一体何だったのでしょう。
手締めは「手打ちで締める」が語源であるという説があります。
この手打ちというのは柏手を打つという意味で、日本最古の文書「古事記」でも、大国主の国譲り神話の中で、柏手を打って国譲りを承諾したという記述が出てくるんです。
つまりは、「承諾して柏手を打った」ことが転じて「うまく物事がまとまって手を打った」という意味で手締めが行われるようになったと考えられています。
また、その後の歴史における手締めですが、天下取りを狙った戦国武将・伊達政宗ゆかりのものや、あるいは江戸時代の落語会で真打や襲名披露で手締めが行われたという事例があります。
その後、1876年に東京証券取引所が発足して以降、日本中に手締めを行う習慣が広まったと伝わっています。
手締めにはどんな種類があるの?
手締めといえば、どんなものを思い浮かべますか?
私は掛け声の後に一回「パン」と手を叩く手締めを真っ先に思い浮かべます。
しかし、実は手締めにもいくつか種類があるのをご存知でしたか?
手締めの種類は大きく分けて、一本締め、三本締め、一丁締めの3つです。
一本締めは掛け声の後に「パパパン・パパパン・パパパン・パン」と10回手を叩くものを言います。これも聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
三本締めは一本締めを三回繰り返す手締めです。正式な式や宴会の場で広く使われています。
一丁締めは、私が最初に思い浮かべた、掛け声の後に一度手を叩く手締めです。
とりわけ一本締めと一丁締めの2つは、名前が似ていて間違えやすいので注意が必要ですね。
※参照:一本締め、一丁締め、三本締めの違いは?意味や使い分けを解説!
海外でも手締めは行われているの?
今は会社でも地域でも、海外の人と接する機会も昔より増えていますよね。
お祭りに参加される海外の方も目にするようになってきたのではないでしょうか。
では、外国の人も日本と同じように手締めを行う習慣があるのでしょうか。
実は、海外では手締めを行う習慣も、手締めに相当する習慣も無いんです。
ですから、海外の方も含めて手締めを行う際には手締めの説明が必要です。
特にアメリカやヨーロッパ圏の人にとっては手締めのリズムも難しく、ズレてしまうことが多いので、リズムも説明する必要があります。
また、外国籍の方が複数いる場合は、あえて手締めを行わないといった配慮も必要になってくるかもしれません。
この記事のまとめ
手締めの由来やその種類、海外における存在についてご紹介しました。
大きく「一本締め」「三本締め」「一丁締め」の三つに分けられる手締めの由来は、承諾して柏手を打って締めたことが語源だと考えられています。
この手締めの習慣は海外にないので、外国籍の方には説明などの配慮が必要になりそうですね。
日本固有の文化である手締めをこれで少しは知ることができたのではないでしょうか。
きれいに揃った手締めでお祭りや飲み会の余韻まで味わいたいですね。