夏になると日本各地で盛んにお祭りが行われるようになりますね。
そこでしばしば見られるのがお祭りの参加者が担いでいる神輿ですが、そもそも何で神輿を担ぐようになったのでしょうか。また、海外にも神輿に相当するものはあるのでしょうか。
今回は、神輿の歴史、担ぐ意味などについて調べていきたいと思います。
神輿を担ぐ理由とは?そもそも神輿って何?
そもそも神輿というものは、普段は神社にいる神さまの魂がお祭の中で、その巡幸の途中で休憩したり、または宿泊する場所などへ進むに当たって、一時的に鎮まるとされる輿のことです。
平たくいうと、神様を乗せる乗り物ですね。
神輿を担ぐ理由は祭りによって様々なのですが、一般的には、神様の魂を神輿に乗せ、街中をめぐり、神様が持っている偉大な力を振りまいてその地域を清める意味があります。神様を敬愛する気持ちの現れとして、人より高い位置で肩に担がれるようになったというのが通説になっています。
また、神輿を担ぐ際の休息時も、神輿は絶対に地面には下ろさず、台の上に置かれるのもそれゆえです。神様を敬う気持ちが随所に出てますよね。
神輿の歴史について解説。その起源とは?
神輿の歴史についても見ていきましょう。
神輿の起源は諸説あるのですが、文献上はじめに確認できるのは奈良時代の元正天皇の時代だと言われています。この時代に九州地方で起こった反乱を鎮圧するために、神さまのご加護を得るために神輿が作られたという記録が残っています。
平安時代になると奈良、京都などでも神輿が作られるようになりますが、いわゆる村祭りなどで神輿を担ぐようになったのは室町時代と言われています。
そもそも室町時代というのは、現代の私達の生活スタイルを作った時代とされています。
この時代には農業生産が飛躍的に増え、庶民が団結しはじめることで、今に伝わる村社会の掟や習慣が出来上がりました。また、村人が団結することで、村の自治を領主に代わって行うようになり、村祭りで神輿を担ぐなども一般的になったと思われます。
また、戦時中には神輿の担ぎ手や兵器などで金属類を使った事により、神輿の数自体が減少した事もありました。神輿の歴史は、その時代ごとの情勢によっても左右されていたのですね。
海外にも神輿に相当するものはあるの?
ちなみに、海外にも神輿に相当するものはあるのでしょうか。
神輿は神道のお祭りに使うものなのですが、神道は日本古来の宗教である事から、私達が見ているようなものは外国にはないと考えられます。
ただ、スペインなどの主にカトリックを進行する国では「マリア神輿」と呼ばれる、キリストの母親である聖母マリアの像やキリストの像を載せた神輿に相当するものが祭典で見られるケースがあります。
この「マリア神輿」は、復活祭などのお祭りで見られる事があります。
また、ヨーロッパだけではなくベトナムなど、キリスト教の宣教師がマリア神輿の風習を伝えた国々でも、この慣習は見られるそうです。
まとめと感想
神輿を担ぐ理由やその歴史、海外の事例についてご紹介しました。
神様の魂を乗せるから神輿、何か神秘的というか、遠い、遠い、先祖の声とかが聞こえそうです。私は恥ずかしながら、そんな神聖なものとは知らず、ただのお祭り程度の認識しかありませんでした。物を知らないのは恥ずかしいことですね。
これからは、神輿の見方も感じ方も変わる気がします。
見てるだけではなく、お祭りに参加して、神霊を感じることができたら最高ですね。