細い葉を広げ、小ぶりながらも白と黄色の鮮やかなコントラストが可愛らしいカモミール。
どこかで一度は名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そんなカモミールですが、様々な用途や効能がある事でも有名です。
アレルギーや花粉症にも効くと言われてますが、果たして本当なのでしょうか。
この記事では、カモミールの用途や効能を種類ごとに解説すると共に、この花を利用する際の注意点についてもまとめてみました。
Contents
カモミールにはどのような種類があるの?
一般的にはハーブとして知られているカモミールですが、実はこれ以外にも種類ごとに様々な用途や効能があるのです。
そこで、まずはカモミールの種類についてご紹介見てみましょう。
カモミールには大きく分けて、「ジャーマン・カモミール」と「ローマン・カモミール」という2種類があります。花や葉姿、性質はどちらも似ているのですが、花を縦半分に切ると、中心に空洞があるのがジャーマン種、ない方がローマン種で、それぞれ分類される属が違います。
ジャーマン・カモミール
一般的にカモミールといはれているのはこの「ジャーマン・カモミール」の方です。
主にハーブティーなどで広く親しまれています。
ジャーマン種はマトリカリア属で、花後に枯れる一年草です。草丈は20~100㎝、葉は細かく切れ込んでおり、春に白い花びらをもつ一重の菊のような花を咲かせます。
中心の黄色い部分(筒状花)は、咲き進んでいくにしたがって盛り上がってきます。
花はリンゴのような、甘い香りがします。
ローマン・カモミール
一方のローマン・カモミールはアンテミス属で、毎年花を咲かせる多年草です。
茎は這うように伸びていき、ひょろりとした花茎を伸ばして先端に花を咲かせます。
花だけでなく、葉も甘い香りを放ち、夏に開花します。
また、ローマン種から派生した「ダイヤーズ・カモミール」という植物もあります。
この植物は、ローマン・カモミールと同じアンテミス属で多年草ですが、初夏~秋にかけてマーガレットのような黄色い花を咲かせます。
カモミールの用途を種類ごとに解説!
カモミールの用途として最も有名なのは、ハーブティーとして楽しまれているカモミールティーではないでしょうか。ジャーマン種、ローマン種ともにハーブティーに出来ますが、どちらかと言えばジャーマン種の方が口当たりがよく、飲みやすいと言われています。
ただ、不眠やストレス解消に対してより高い効果を得られるのはローマン種のようです。
また、カモミールはその甘い香りを生かして、入浴剤やアロマグッツなど様々な用途に使われています。その他にも、薬や化粧品に配合されていることも少なくありません。
とりわけジャーマン・カモミールは「植物のお医者さん」と言われ、周りの植物を元気付け病気から守るといった用途でも使用されています。
一方のダイヤーズ・カモミールは、ジャーマン種やローマン種のようにハーブとして楽しむことはなく、なんと染料として使用されています。
ダイヤーズ・カモミールの花を使用した染料は、黄色系統の仕上がりになる事が多いですね。
カモミールの効果って?アレルギーや花粉症にも効くの?
それでは、カモミールの効能にはどのようなものがあるのでしょうか。
カモミールの効能ですが、以下のように多岐にわたっています。
・抗アレルギー、消炎作用
・便秘解消
・生理不順、月経痛の緩和
・美肌効果
・鎮静、安眠効果
・発汗作用
・消化、意の不快感の改善
・リラックス効果
特にアレルギーに対する効能は有名ですね。
カモミールの中に含まれるアズレンという成分には抗炎症作用があるため、アレルギーによる症状を緩和し鎮める効果があると言われているのです。
より厳密に述べると、ジャーマン・カモミールはヒスタミンの働きを抑え、強いかゆみを抑える効果が、一方のローマン・カモミールは、マスト細胞からのヒスタミン放出を抑える効果があるようです。これらの作用のおかげで、鼻炎などのアレルギーにおる炎症を抑えたり、アトピー症状を軽減したりする効果があるようです。
また、アレルギーに効果があるということは、多くの人が悩まされているであろう花粉症にも、もちろん効果があります。
花粉症対策としてのカモミールの取り方は、ハーブティーが一般的です。
実際、カモミールティーを花粉症対策として飲んで、効果を実感できている人が結構いるので、試してみる価値はあると思います。
しかし、ハーブティーティーは1か月以上続けないと効果がないと言われているので、シーズン前からしっかり実践してく事がポイントになると言えるでしょう。
カモミールには効能がたくさん…だけど注意点も!?
ここまででは、カモミールにある様々な用途や効能をご紹介しました。
その一方で、この花を利用する際に注意しなければならないことがあります。
それは、キク科アレルギーの方や妊婦さん(とくに初期)は控えた方がいいということです。
なぜなら、カモミールはキク科の植物なので、キク科アレルギーの方がカモミールティーを飲むと、かゆみが出ることがあるからです。キク科アレルギーは、皮膚に塗ったりする外用でも、飲むなどの内用でも症状が出てしまします。
もしも自分がキク科アレルギーかどうかわからない場合は、耳鼻科や皮膚科でアレルギーかどうかを調べてもらうか、あるいはカモミールオイルを少量用いてパッチテストを行ってから使用するといいですね。
あと注意が必要なのが妊婦さんです。
ハーブティーの多くはノンカフェインで、体調を整えてくれる作用もあることから、妊婦さんに昔から人気があります。そのリラックス効果やノンカフェインである点、そして手軽に買えることから手を出そうとする妊婦さんもいますが、カモミールには子宮を収縮させてしまう作用があるのです。
そのため、特に妊娠初期〜中期くらいまでは控えるようにしましょう。
特に妊娠初期であれば、ハーブティー自体を控えた方がいいですね。
この記事のまとめ
カモミールは、世界中で親しまれている代表的なハーブですが、こんなに色々な用途や効能があると知ってビックリしたかもしれませんね。
意外に知らないだけで、皆さんも身の回りにカモミールを使ったものがあるかもしれませんね。
そもそもカモミールは、古くから抗炎症作用や抗アレルギー作用を目的として、医療用の薬草として用いられてきた歴史がある花なのです。
キク科アレルギーや妊婦さんは控えた方がいいですが、身近にある手軽に手に入るハーブなので、アレルギーや花粉症に悩まされている方は一度試してみる価値はあると思いますよ。