山登りが今空前のブームになっていますね。
登山の楽しみはもちろん、登っていく充実感や頂上に着いたときの達成感にあると思いますが、最中の植物もさまざまな種類があって素敵ですよ。
こうした山で見られる植物は「高山植物」と言われているのですが、どのような特徴があるのでしょうか。その定義について見ていくと共に、代表的な花についてもご紹介します。
高山植物の代表的な花の名前について解説!
高山植物の花の特徴として、派手なものが多い事が挙げられます。
また、数は少ないですが、果実をつけるものもあります。
代表的な花の名前を具体的に見てみましょう。
ハクサンシャクナゲ
白色の花をつけます。
パッと見はユリの花のような可憐さです。
タカネスミレ
黄色の花をつけます。
花弁が大きくて、葉が真ん丸なのが可愛らしい花です。
イブキフウロ
東北の一部や伊吹山の8月に見られる高山植物。
3センチほどのピンクの花が特徴です。
ユウスゲ(キスゲ)
6〜8月にレモン色の花を咲かせるユリ科の植物。
「麗しき姿」という花言葉が素敵です。
エーデルワイス
歌でおなじみのこの花も、実は高山植物の仲間なんです。
「高貴な白い花」という直訳のように、白色の花がとても有名ですね。
この他にも、高山植物に分類される花は沢山あるので、ご自身でも探してみてくださいね。
また、花をつける高山植物は、以下のように分類されています。
・白花系・・白やクリーム色の花をつけ、綿毛に特徴のある種
・赤花系・・赤系の色の花がある種、赤い模様がある種
・黄花系・・黄色の花をもつ種
・青花系・・青から紫系の色の花をもつ種
・その他黒系など・・どの色とも言いがたい色の花をもつ種
なお、高山植物の一部の種は国のレッドリスト(絶滅の危機に瀕している動植物をまとめたもの)にも指定されています。中でも南アルプスの高山帯では、地球環境の変化(主に温暖化)でやられてしまう種や、ニホンジカ・ニホンカモシカなど、食い尽くしてしまって危機をむかえている動物の存在も報告されています。
こうした危機に瀕している動植物の存在を減らすために、環境省や各都道府県によるレッドリストの制定が進められており、その中には少なくない数の高山植物も含まれています。
ですので、高山植物を安易に抜いたり、持って帰ったりするのは絶対にやめてください。
高山植物の定義やその特徴について解説
ここまででは、高山植物の代表的な花などをご紹介しましたが、こうした植物には何かしらの共通した特徴があるのでしょうか。
定義みたいなものがあるのかも気になりますね。
高山植物とは、一般的に森林限界より高い高山地に生えている植物と定義付けられています。
森林限界とは木が生育できなくなる限界の高度のことを意味する言葉で、要するに通常の植物が生息できない高さでも生きれるのが高山植物の特徴と言えそうですね。
その一方で、ただ単に高山に生育するから高山植物と呼ぶわけではありません。
例えば、北海道の礼文島や利尻島では森林限界が低いため、アルプス2500メートル付近に生育している植物を平地や海岸近くでも見ることができるのです。
低山帯や丘陵地帯でも見られるが、適応の幅は広いので高山地帯にも生えている植物がありますが、これらは高山植物とは定義付けられていません。
高山植物の生育環境ですが、大きく以下の4つの特徴に分けられます。
①冬の積雪と平均気温の低さ
②一日の最高気温と最低気温の差が大きいこと
③風が強いこと
④陽射しが強く、紫外線量の照射も多いこと
多くの植物が生育には難しい環境で、高山植物は育っていくのです。
また、地下茎や根っこが発達している一方で、葉や茎が小さくいことも高山植物の特徴として挙げられます。樹木であってもほとんどの並みの背丈で、地表に密着してクッションのように成長していきます。全体的に毛が多いのも高山植物の特徴です。
この記事のまとめ
高山植物に分類される代表的な花の名前やその定義、特徴についてご紹介しました。
ハクサンシャクナゲやタカネスミレ、エーデルワイスなどが高山植物の代表的な花の名前として挙げられており、これらは森林限界より高い高山地に生えていると定義付けられています。また、独特な生育環境や根っこの発達、葉や茎の小ささといった特徴もありますね。
登山をされる方であれば高山植物はお馴染みかもしれませんが、レッドリストに含まれているものも少なくないので、絶対に安易に扱わないで下さいね。