女の子の健やかな成長を願って
お祝いするひな祭り。
しかし、押し入れの奥からお人形を引っ張り出し、
段を組み立て、お人形を飾り、小物を飾り、
あれこれはどこに置くんだったかしら…、
これはどの人形の持ち物…?と、
完成までにはけっこう苦労します。
特に迷ってしまうのが五人囃子。
あれって5人いるけど順番はどうでもいいの?
持ち物は?何を持っているの?
大切な娘さんのためにも、
理解して正しく飾りたいですね。
そこでこの記事では、
五人囃子が持っているものと、
その飾り方について解説したいと思います。
五人囃子が持っているものは何?
五人囃子とは、プロの楽師になる前の
まだ若い少年たちの集まりです。
そして彼らは何をしているのかというと、
お内裏様とお雛様の結婚式を
お祝いする演奏をしています。
結婚式という晴れ舞台で、
出世する期待をされた
5人の若者たちというわけですね。
ではここで、五人囃子それぞれの
持っているものを紹介しましょう。
①扇
ボーカル担当です。
「謠(うたい)」といいます。
お人形は座っていて、両手を膝の上に置いています。
②笛
竹製の横笛で、高音を出します。
座っていて、両手を前に出しています。
③小鼓
「こづつみ」と読みます。
小ぶりの太鼓で、肩に担いで叩きます。
大鼓よりも柔らかい音を出します。
立っていて、左肩のほうに右手を上げています。
④大鼓
「おおかわ」と読みます。
小鼓よりも少し大きめの太鼓です。
立っていて、左手で持ち右手で叩くため
右手のひらが横を向いています。
⑤太鼓
神、鬼、霊といった、
非人間的なものが登場する場面や、
法要や舞楽の場面で用いられます。
座っていて両手にばちを持てるようになっています。
以上で、五人囃子1人ひとりが
持っているものについて解説してきました。
これで、雛人形の準備前に五人囃子のことで
混乱することはもう無くなりますね。
五人囃子の飾り方も解説!
ここからは、五人囃子の飾り方について
お話したいと思います。
まず並び方です。
これは、音の大きい順に並べると決まっています。
向かって右から、
①謠 ②笛 ③小鼓 ④大鼓 ⑤太鼓
という順序で並べます。
そして問題は、
お人形にどのように道具を持たせるかですね。
順にみていきましょう。
まず、①謠は、右手に扇を持たせます。
②笛は両手の間に通すように笛を持たせます。
③小鼓は左肩に小鼓をのせます。
④大鼓は左手に大鼓を持たせます。
そして ⑤太鼓は、両手にばちをさし、
手前に台を置きその上に太鼓を横向きに置きます。
以上で、五人囃子の飾り方についての
解説を終わります。
これで五人囃子の飾り方については
2度と間違えることなく出来そうですね。
まとめ
五人囃子は結婚式のお祝いをする楽団で、
それぞれが持っている楽器と並べ方は
向かって右から、
・扇を持ったボーカル
・横笛
・肩に担ぐ小鼓
・手で持つ大鼓
・両手にばちを持つ太鼓
こうした内容と順番になっています。
雛人形は、ただ単に
お人形をたくさん並べただけというわけではなく、
それぞれがちゃんと役割を持っていて、
そこにはドラマがあるのですね。
そこから、雛人形が始まったといわれる
室町~江戸時代の人々の暮らしも、
垣間見ることができる気がします。
さぁこれで、お子さんに
お人形の意味と持ち物を質問されても、
バッチリ答えられますね!