いま、小頭症という病気が話題になっています。
南米で感染が拡大し、
WHOが緊急事態宣言を出したジカ熱。
このジカ熱に妊婦が感染すると、
小頭症の子どもが生まれるリスクが高まる
という報告が出ているのです。
小頭症とは一体どのような病気なのでしょうか?
どれくらいの割合で発症するのでしょう?
寿命に影響はあるのでしょうか?
この記事では、
小頭症のそういったことについて、
詳しく解説したいと思います!
小頭症ってどんな病気なの?
小頭症とはいったいどのような病気なのか。
これについて説明する前に、
まず、人間の脳について解説します。
人間の脳の大きさは、
生まれた時は約330gです。
2歳までにその容積は3倍になり、
頭もそれに伴い大きくなります。
頭蓋骨は、そうした変化に対応できるように、
1枚の骨でできているわけではなく、
いくつかの骨がかみ合って脳を囲み、
頭蓋の形を作っています。
この骨と骨のかみ合わせを
縫合(ほうごう)といい、
この部分が広がることで
脳の成長に合わせて頭蓋骨が大きくなるのです。
そして成人になるにつれ
縫合部分はくっつき、
頑丈な頭蓋骨が作られます。
しかし、この縫合が
お母さんのお腹の中にいるうちから
くっついてしまったり、
一部の縫合が欠損(存在しない)したりすると、
脳の発達に応じて頭蓋骨が健全に
発達することができず、
頭部に異常な変形が起こってきます。
脳は発達するのに、頭蓋が大きくならないので、
脳は圧迫されるかたちになるわけです。
その結果、
脳や脳神経の発達と機能が障害され、
知能発達に遅れをきたすほか、
耳の聞こえが悪くなったり、
視力を損なうこともあります。
これが小頭症です。
狭頭症(きょうとうしょう)、
または頭蓋骨縫合早期癒合症とも呼ばれます。
小頭症が発生する原因ですが、
今回のジカ熱のケースのように、
胎内でのウイルス感染や、
染色体異常などが挙げられますが、
まだ不明の部分も多いようです。
小頭症状が発症する割合はどれ位なの?
さて、この小頭症ですが、発症の割合はどのくらいなのかというと、
1万2千人~2万4千人に1人
の割合で発症すると言われています。
割合としては決して多くはないのですが、
報道が度々行われると、
なんだか不安になりますよね・・。
なお、ジカ熱の流行地ブラジルでは、
この半年に2千人以上の
小頭症の赤ちゃんが生まれたそうです。
これは過去5年間の10倍にあたるそうで、
いかに異常な事態かがわかりますね。
小頭症が寿命に与える影響とは?
小頭症が寿命へ与える影響はあるのでしょうか?
これは、病気の程度や合併症の有無
などとも関係あるので、
はっきり「何年」ということは言えませんが、
概して短い傾向にあるようです。
病気が深刻だと、
早期に死亡してしまうこともあるそうです。
親にとって、
子どもが自分よりさきに死んでしまうのは、
なにより辛いことです。
ウイルスの流行のせいで、
子どもの未来が絶たれることは
絶対に避けたいですね。
この記事のまとめ
小頭症とは、頭蓋骨が正常に大きくならないため、
脳の成長をさまたげてしまい、
知能の遅れや、視聴覚の異常などを
起こしてしまう病気です。
寿命も短い場合が多く、
1万2千~2万4千人に1人の割合で
発症すると言われています。
現在、ジカ熱関連のニュースが
度々報道されてますが、これと関連して
小頭症の発生が多くなる可能性も
決して否定はできないと思います。
今後、日本での感染が発見される可能性も
決して否定できないジカ熱。
よりいっそうの注意が求められそうですね。