冬の時期に降り積もった雪が、
春になり解けていくことを
「雪解け」と言います。
積雪の多い地域では、雪解けは
春を感じさせる予兆ともなります。
冬に別れを告げるかのように、
また、春の訪れを感じさせるかのように
やって来る雪解けですが、どのような条件が
重なると起こる現象なのでしょうか。
自然現象として起こる雪解けの水は
飲めるのかについても気になる所ですね。
また、雪解けを題材にした
和歌の紹介もさせていただきます。
雪解けとなる条件とは?
雪解けは自然現象の1つともなりますが、どのような条件で雪解けが
進行していくのでしょうか。
雪解けは、積雪の表面側から
解けていくと思われがちですが、
実は積雪の表面側と地面側の両方から
始まる現象なんです。
表面側の雪解けの条件としては
日光等の日差しはもちろん、気温の上昇、
車の排気ガスなどの熱が伝わり、
雪解けに繋がっていくと考えられています。
また、気温は0度を越えれば、
雪解けの起こる条件を満たすのです。
一方の地面側の雪解けですが、
地面の地熱から雪解けに繋がるため、
特に雪解けに繋がる条件がある訳ではなく、
必然的なものとなります。
ただ、基本的に地面側の積雪の方が
密度も高く、気温も低いため、
表面側より解けにくくはなります。
雪解け水は飲めるのか?その真相に迫る!
では、雪解けによって発生した水は飲用水として飲めるものなのでしょうか。
結論から言うと、雪解け水の飲用は
あまりオススメは出来ないので、
飲めるのかと言うと微妙なところです。
ただ、下記で挙げた一定の条件を
満たせば飲むことも問題無いでしょう。
飲用しても問題無い場合と言うのは、
降雪直後の雪を解かして飲用する事です。
降雪直後の雪解け水であれば、
わずかな時間雪が空気中に触れただけで
綺麗な事も分かり安心出来ます。
積雪して時間が経過した雪には
空気中の埃や塵、樹木の花粉などが
含まれている可能性も充分考えられるため、
単に解けたあとの雪解け水を飲むことは
あまりお勧めできません。
もっとも、積雪して時間が経った
雪解け水は色も濁ってしまうため、
口にする事を躊躇うと思います。
どうしてもと言う一刻を争うような
状況であれば、不純物を取り除く為に
煮沸してタオルや珈琲のフィルターなどで
時間をかけて沈殿物を漉せば飲用しても
問題無い程度の水にはなります。
しかし、自然に積雪された雪には
何が含まれているか分からない為、
緊急時以外は飲用を避けたいですね。
雪解けを題材とした和歌を一首紹介
雪解けを題材とした和歌は多くあるのですがその中の一首をご紹介します。
雪解けを詠った和歌として有名なものに
新古今集に掲載されている式子内新王の
「山深み 春とも知らぬ 松の戸に
たえだえかかる 雪の玉水」
という和歌がございます。
現代語訳をすると
「山が深いので、春が来たことも知らず、
私の山家の松の戸に、ポタリポタリと
雪解け水が宝石の様に輝いています。」
と言う意味になります。
山家周辺には真っ白な雪が
深く積もっているため、春に気付かず、
松の戸を伝う透き通った雪解け水が
春の訪れを感じさせる…
こうった情景を思い描く事ができる
素敵な和歌ですよね。
まとめ:雪解けについて
積雪面からも地面側からも起こる雪解けですが、様々な条件が重なる事に
より起こる自然現象だと分かりました。
また、雪解け水が飲めるのかについては
安全安心の為にも極力避けたいところ。
緊急時などのどうにもならない状況の際は
濾過と煮沸を必ず行ってから飲用しましょう。
そして、雪解けを詠った和歌は美しく
季節を感じさせる素敵な和歌が多くあるので、
是非、雪解けを詠んだ和歌を
他にも探してみてください。
それでは、今回はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。